一本のポールにフライシートをかぶせて組み立てるティピーテントは素早く設営できて初心者でも簡単に設営できるのが魅力ですよね。
反面、ティピーテントは風の強い日は幕下から風が吹き込んできたり、雨除けがないので雨水が防げないという弱点もあります。
今回はそんな弱点を克服したコールマンのエクスカーションティピーⅡ/325を実際に購入したならではのレビューや口コミに関する補足をしていきます。
コールマンとは?
1900年創業、アメリカの老舗キャンプ用品製造・販売メーカー。初心者でもとっつきやすい低価格でありながら高品質のものから上級者向けのハイエンドモデルまで幅広く取り扱っている。キャンプ場でこのブランドを見かけないということはないくらい日本国内でもポピュラーに扱われている。
エクスカーションティピーⅡ/325の特徴
特徴①前室が広く雨除けがあるので雨の日でも外の景色が眺められる!
せっかく自然豊富なキャンプ場に来たのであれば雨の日でもせめて外の景色は眺めたいですよね。
エクスカーションティピーⅡ/325はティピーテントでは珍しい前室が備わっており同時に前室部分が雨避けになる構造となっているのが特徴です。
前室とは"靴や荷物などを置いたりできるちょっとしたスペース"のことで前室に荷物を置ける分、テント内の有効スペースが広がり居住性の向上に繋がる。
この前室部分は少し出っ張りのある屋根のようになっているので多少の雨程度であればテント内に雨が入り込みにくい構造になっています。
僕は他にもティピーテントを持っていますが多くのティピーテントはこの雨避けとなる屋根に当たる部分がないので雨が降るとテントをフルクローズするしかなかったんですよね・・・。
せっかくのキャンプなのに外の景色が見れないのは残念なのでティピーテントの時、雨が予測される日はタープもセットで持っていていったのですが荷物も増えるし設営・撤収も手間だしこれがなかなか面倒なんですよね。
しかしエクスカーションティピーⅡ/325のこの前室部分のでっぱりのおかげで多少の雨であれば防ぐことが可能です。
前室部分の広さは最大幅230cmですが実際に有効的に使えるスペースはこんなイメージです。
クローズした時は三角の形状なので実際の有効面積は狭まりますがそれでも調理をしたり荷物を十分に置くことが可能です。
テント内に居ても前室を使うことでちょっとした調理もできるので火器の取り扱いもしやすいです。
またテントの後ろの出入り口にもちょっとしたスペースができるのは地味に嬉しいですね。
ちなみに後ろ側は片側のみオープンできます。
特徴②テント内が広い!
テント内(インナー)の広さは230×230cmあります。
公式サイトによるとこれは荷物なしの状態で大人が4人並んで寝ることができるほどのスペースです。
中に荷物を置くことを考えると大人2人と小さなお子様がもう一人くらい寝ることができることくらいのスペースはあります。
もうすこし寝具を詰めればテントの半分は寝室、もう半分はリビングとして有効に使えるほどの広さがありますね。
コットを置いても約3/4ほどは有効スペースとなっているためバーナーやチェア、テーブルも置くことができるのでお籠りキャンプとの相性も◎
広いので中心にあるポールもさほど邪魔に感じません。
テントが高いので約84cmもあるチェアツーホームのチェアだってすっぽり入り圧迫感なくくつろげます。
特徴③インナーテントのみやフライシートのみでも設営が可能!
エクスカーションティピーⅡ/325はフライシートを使わずインナーテントのみでも設営可能です。
夏場などテント内が蒸れやすい時期はフライシートを外してインナーテントだけにして風通しを良くすることもできます。
インナーテントのお陰で虫の侵入や風で砂煙が入り込むのを許しません。
出入り口の窓は2層になっており1枚目はメッシュで2枚目を閉じると完全にクローズすることも可能です。
メッシュがあっても外の景色は十分に見ることができるので夜間などテントの中で過ごすときは夜景や星空も見ることができますね。
出入り口は2ヶ所あり後方の出入り口のサイズは小さくなっております。
後方側もメッシュにすることが可能なので夏場は両方メッシュにすれば虫も入らず風通しも良いので蒸れも低減できるかと思います。
デイキャンプや荷物を減らしたい人などインナーテントはいらないよという人はフライシートのみで設営することもできます。
ただしスカートのないフライシートで5cmくらいの隙間ができるため虫の侵入を許したり風が強い日は中まで砂煙が入り込むので注意です。
特徴④ポリエステル生地なのにまるでコットン素材のような風合い
エクスカーションティピーⅡ/325のフライシートの素材はポリエステルでありながらまるでコットンのような風合いの仕上がりとなっています。
これはテックスファイバーという素材が使われているためです。
テックスファイバーとは?
ちなみにあくまでポリエステルなのでコットンと違い焚き火の火の粉など熱には弱いので注意です。
特徴⑤結露がしにくい構造
エクスカーションティピーⅡ/325にはインナーテントに大きな三角窓のベンチレーション(換気口)が2ヶ所ついています。
ベンチレーションが大きいことでテント内で暖かくなった空気が循環しやすくなり結露が発生しにくく撤収時も乾かす手間が減るので楽になります。
また、インナーテントとフライシートの空間が狭いと結露が出やすくなるのですが黄色いドローコードを絞ることでフライシートとインナーシートに空間ができて結露を軽減させる構造となっています。
価格が1万円台で安く購入できる!
これだけのグレードでありながら価格は1万円台で購入できるのは流石は世界のColemanといったところです。
この価格帯であれば初心者の方の初めてのテントにも上級者の方の2幕目、3幕目のテントとしても買い替えやすいですね。
初代エクスカーションティピーとの違いって?
初代と現行モデルのエクスカーションティピーⅡ/325との大まかな違いは以下の通りです。
初代と現行モデルの違い
- 生地がテックスファイバー生地に変更
- インナーテントのメッシュが更に大きくなった
- フライシートのみでも設営可能になった
生地がテックスファイバー生地に変更
これは前述したコットンの優しい質感のあるテックスファイバーというポリエステル生地です。
初代モデルは通常のポリエステル生地でしたがコットンに近い質感になったことでより自然に溶け込む風合いになりました。
インナーテントのメッシュが更に大きくなった
現行モデルではインナーテントのてっぺんに三角窓がフロントとリアに追加されました。
地味な変更点ではありますがこのおかげでより通気性が良くなり結露もしにくい構造となりました。
フライシートのみで設営可能になった
初代モデルでは前室があるという特殊な構造上フライシートのみで設営することが困難でした。
しかし現行モデルのエクスカーションティピーⅡ/325ではフライシートのみで設営が可能になりました。
インナーシートはいらないという方には荷物も減らせて設営も格段に楽になるので嬉しい改良ですね。
商品スペック
収納袋のサイズは直径が約19cm、横約60cmです。
このサイズであればバイクにも積載することが可能です。
小さなポケットがついていますが収納袋はパンパンなので収納力はさほどなくペグやロープを入れると知らない間に落ちたりしそうです。
付属品はコチラ。
エクスカーションティピーⅡ/325の付属品
・インナーテント・・・1枚
・メインポール・・・1本
・前室用ポール・・・1本
・スチールペグ・・・15本
・ガイロープ・・・5本
・取扱説明書・・・1枚
下記の表はそれぞれのスタイルに必要なペグの本数です。
バイクキャンパーなど少しでも積載量を減らしたい時のご参考までに。
各スタイル、ペグの必要数一覧
・フライシートのみ・・・10本
・インナーテント+フライシート・・・10本
ガイロープ使用時は+5本のペグが必要
全体的なサイズはこんな感じです。
縦200cmあるのでテント内で着替えることは容易ですが中央にはポールがあるので少し屈みながら着替える必要があります。
エクスカーションティピーⅡ/325のスペック | ||
---|---|---|
サイズ(収納時) | 約φ19x 60cm | |
サイズ(インナーテント) | 約325 x 230 x 200(h)cm | |
サイズ(フライシート) | 約385 x 325 x 200(h)cm | |
総重量 | 約6.2kg | |
耐水圧 | 約1,500mm (フロア: 約1,500mm) | |
定員 | 3〜4人 | |
カラー | オリーブのみ | |
素材 | フライ/75Dポリエステルタフタ、インナー/68Dポリエステルタフタ、フロア/75Dポリエステルタフタ、ポール/スチール、FRP |
実際に使ってみた!〜設営手順もイチから公開〜
それではエクスカーションティピーⅡ/325の設営方法の手順を見ていきましょう!
初めての人でも簡単に設営することができ、ティピーテントを使ったことある人ならなんとなくこんな感じやろで説明なしでも設営できるくらい簡単です!
step
0グランドシートの設置
まずはグランドシートの設置から初めます。
グランドシートはあってもなくても設営できますがグランドシートがあることで地面からの熱や結露を防ぐことができたりテントを小石や枝から守ってくれるので傷がつきにくくどちらかというとあった方が良いかと思います。
ちなみに僕が使っているグランドシートは純正のものではなくTRIWONDERというブランドの代用品を使用しています。
純正品グランドシートとTRIWONDERのグランドシートの比較 | ||
---|---|---|
メーカー名 | コールマン | TRIWONDER |
サイズ(展開時) | 約310×213cm | 304x223cm(XLサイズ) |
値段 | 1万円前後 | 2000円前後 |
▼純正品
▼代用品
まずはグランドシートを広げます。
緑丸の部分がテントの出入り口に当たる部分になるので向きは間違えないようにしましょう。
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1インナーテントを広げる
グランドシートを敷いたらその上にインナーテントを広げていきます。
Colemanのロゴが入っている部分が前室側になります。
代用品のグランドシートの場合ピッタリサイズではないので気持ち調整しながら設営してください
この後、ペグを打ち込みますが打ち込む前にインナーテントのファスナーが全て閉じているか確認してください。
閉じていない状態でペグ打ちをしてしまうとテントを立ち上げた時ファスナーが閉まらなくなることがあります。
step
1ペグを打ち込み、メインポールで立ち上げる
写真の順番で対角にペグを打ち込みます。
最終的にフライシートのループをこのペグにも引っ掛ける工程があるので地面に完全に打ち込まないようにしたほうが後の作業が楽になります。
ペグ打ちのポイント
対角線上にペグを打ち込んでいくのがポイント。更にフロアにシワが無くなるようループを引っ張りながらペグ打ちするとキレイに立ち上がります。
ペグ打ちが終わったらメインポールを組み立てます。
エクスカーションティピーⅡ/325にはポールが2本ありますが最初に使うのはランタンフックがついている方です。
ポールはショックコードで繋がれているのでパーツをなくす心配もなく組み立ても簡単です。
メインポールを組み立てたらインナーテントのフロント側のドアを開けて中に入ります。
天井部に黒いカップのようなものがあるのでここにメインポールを差し込みます。
この時、ランタンフックがある部分が上になるようにしてください。
黒いカップ部分にメインポールを通したらそのまま上に持ち上げるように引っ張りテント底部にあるホルダーにポール底部を差し込みます。
持ち上げてホルダーに差し込むにはそこそこ強い力が必要です。
ここまででこの状態になっていればインナーテントの立ち上げは完了です!
インナーテントのみの設営の場合、これで完了です。
step
2フライシートをかぶせていく
インナーテントが立ち上がったらフライシートを上からかぶせていきます。
Colemanのロゴがあるところが前室部分になるので前後を間違えないように注意してください。
コールマンのロゴの位置はテントのフロントを正面に見て左斜め手前側くるようにかぶせましょう
フライシートを被せる前に先にベンチレーションを立ち上げていきます。
ベンチレーションは3ヶ所ありますが、高さのあるテントなので設営後だと手が届かない場合があります。
このまま上からかぶせていけばいいのですがエクスカーションティピーⅡ/325は高さが200cmもあるテントです。
なのでフライシートをかぶせる時はこんな感じでインナーテントの中に入ってかぶせていくととても楽です。
step
3フライシートのペグループにインナーテントをに固定されているペグに通す
フライシートをかぶせたらインナーテントのペグループにフライシートについているループに6箇所引っ掛けて仕上げのペグ打ちをします。
step
4フロントポールを組み立て前室を作る
ここまで終えると大体こんな形になっているかと思います。
ここまでくれば完成はもう少しです!
次は前室用のフロントポールを組み立ていきます。
ちょっと特徴的な形をしているこれがフロントポールです。
こちらもショックコードで繋がれているのでメインポールと同じ要領で各節を繋げていきます。
前室のフライシートのファスナーをあけて左右にポールを通すピンがあるので左右2箇所に差し込んでいきます。
フロントポールを通したらポールをフライシートについているテープ(3箇所)で固定していきます。
次にインナーテント上部についている黄色い紐のドローコードを絞っていきます。
テントに前室部分ができてキレイなシルエットになりました。
最後の仕上げにフロントポールを差し込んだ場所にあった黄色いループに二箇所、フライシートのリア側一箇所にペグ打ちをします。
上図のように左開きか右開きにする場合は前室についているループにもう1本ペグ打ちが必要です。
日除けにもなるので食べ物を置きたい場合はこんな感じに設営するのがおすすめです。
風除けにもなるので風が強い日は風向きに合わせて壁にもなります。
もちろんフルオープンも可能でこの場合は追加のペグは不要です。
圧迫感なく広々使いたい場合におすすめです。
その他、細かい構造やポイントなど
小物入れポケットが一箇所
インナーテントには小物などを入れるメッシュポケットが一箇所です。
結構大きいテントなので本当はもう一箇所くらい欲しかったのが本音ですが一箇所でも実用性には十分です。
メインポールにはランタンフック
メインポールにはランタンフックがついています。
ちなみにこのフック、横に水平に固定できるかと思ったのですがどうやら角度の調整はできないない模様。
メインポールは磁力があるらしくねほおずきなどマグネットタイプのものはくっつきそうです。
テントからの景色や窓の仕様
窓がかなり大きいのでテントからの視界も良好です。
換気をしたいけどテントの中を見られたくないといった場合は小さく窓を開けることも可能です。
メッシュの網目は細かいながらも視認性は良いかと思います。
虫や風で舞う落ち葉などを防ぎながらテントの中で安全に過ごすことも可能です。
まとめ
エクスカーションティピーⅡ/325のおすすめポイント
- 前室のあるティピーテント!ちょっとした屋根にもなるのでちょっとした雨なら凌げる!
- テント内が広く居住性抜群!
- 大型メッシュで通気性抜群!夏でも風通しが良く蒸れにくい!
- 高さのあるテントなので中で着替えもしやすい
- ポリエステル生地の特性を活かしたコットン風味のテックスファイバー生地を採用!
エクスカーションティピーⅡ/325注意点
- コットン風味であくまでポリエステル生地なので火の粉には注意
- 高さのあるテントなのでフライシートを被せる時は少しコツが必要
いかがでしたでしょうか?
雨も凌げて前室もある居住性抜群のエクスカーションティピーⅡ/325
このテントは今までの不満点だった雨問題や下から入る風問題を解決させてくれたテントでした。
これだけの性能でありながら値段も2万円以内と初心者でも手を出しやすい値段設計となっておりさすが世界のコールマンだと関心しました。
最初のテントにももちろんおすすめですが一味違ったティピーテントがほしいという方にもぜひおすすめしたいテントでした!
▼記事中で紹介したギア一覧