鉄板。
なんという男心をくすぐる無骨な響き。
キャンプ飯といえば焚き火の中に鉄板を放り込み肉をガシガシ焼きたいではありませんか!
そんなバイクソロキャンパーの僕がソロキャンプでかつバイクでも持ち運びやすく無骨でカッコイイ漢の鉄板を見つけました。
今回はベルモントの極厚鉄板を実際に購入したならではのレビューや口コミに関する補足をしていきます。
ベルモントとは?
金物の街、新潟県三条市にあるアウトドア、釣具用品メーカー。チタンの扱いを得意としておりテーブルや焚き火台、カラトリー、マグなど金物職人が一つ一つ丁寧に工場で加工している。「より良いものをよりリーズナブルに」をモットーにシンプルで無駄のないデザインの製品が多い。
目次
はじめに〜極厚鉄板を選んだ理由〜
何を隠そう僕はバイクでキャンプをするソロキャンパーです。
そのため大きすぎたりするものはNG
バッグのデッドスペースにそのまま押し込めそうな鉄板を求めていました。
なのでまず取っ手と鉄板が分離できるものが重要なポイントでした。
そして何より無骨感が欲しかったです。
鉄板を店頭やネットで探すと結構機能性が高い鉄板が多いんですよね。
余計な油が落ちるように凹凸のある波状に加工されたものや食材などが落ちないよう反りが直角になるよう加工されたものなどがたくさん出てきました。
このような加工は便利なんですがちょっと見た目的に個人的には無骨感には欠けるかなと。。。
しかし、経験上完全フラットな鉄板は油が落ちまくって使いづらいので若干の反りはほしい。
それも鉄板の無骨感を残しつつ自然でかっこいい感じに。
こんな僕の要望を全て答えてくれた鉄板がベルモントの極厚鉄板なのです!
極厚鉄板の特徴
特徴①ソロキャンプに丁度よいサイズ
まず何と言っても大きすぎず小さすぎないというソロキャンプには絶妙なサイズ感です。
ミニマムな鉄板も使ったことありますが焼けるものが限られすぎて結局使わなくなってしまったんですよね。
極厚鉄板は21×15cmでステーキはもちろん焼肉も複数枚一気に焼くことができ簡単な炒め物もできてしまうソロキャンプで扱いやすいサイズ感なんです。
特徴②高すぎず浅すぎない絶妙なエッジ
そしてなによりこの絶妙なエッジです。
ほぼフラットな形状を維持しつつ油がこぼれ落ちないよう丁度よい角度のこの反り具合。
鉄板の無骨感を邪魔しないこの角度、お見事です。
反りが浅すぎるのでは?と見て思う方もいるかもしれませんが、いやいや心配ご無用。
目玉焼きのような液状のものやウインナーのような転がる食材もこの反りでもしっかりと受け止めてくれることは実証済です。
この深すぎないエッジのお陰でこのようにバッグの隙間やデッドスペースなどに入れることができるので持ち運びが非常にしやすいんです。
特徴③厚さ6mmで蓄熱性が高い!
極厚鉄板の板厚は6mmです。
この厚さのおかげで安定した温度で肉類であればカリッとジューシーに焼き上げることが可能です。
ベルモントいわく網焼きよりも簡単に美味しく焼き上げることが出来るという自信っぷり。
この6mmの厚さのおかげで蓄熱効果が非常に高く火から下ろした後でも食材も冷めにくいのも特徴です。
冬キャンのときのキャンプ飯って冷めるのが早いですよね。
極厚鉄板であれば12月の冬キャンで外気温5度の中、火から下ろした状態で放置した食材も20分程度は熱さを保ち30分ほどでほんのり温かいという状態でした。
特徴④取っ手がそのまま焦げ取りスクレーパーになる!
考えましたねベルモント。
付属の取っ手はただの取っ手ではなく焦げ落とし用のスクレーパーとしても使えてしまう形状となっています。
こびりついた油汚れもなんのその。
かなり実用的に焦げ落としが可能です。
取っ手とスクレーパーの両立、すなわち持ち運ぶアイテムが減るということ。
バイクキャンパーには嬉しい仕様ですね。
商品スペック
パッケージはこちら
ボール紙にシールが貼られているだけ。
う〜ん無骨!
中には本体の鉄板・取っ手兼スクレーパー・収納袋が入っております。
あと錆止め紙とチャック付き袋も入っていました。
保管するときはこれをセットでしまったほうが良さそうですね。
当たり前っちゃ当たり前ですが鉄板と取っ手のフィット感は抜群です。
鉄板を支える箇所が細いステンレス部分なので持った感じの重さはスペック状の1.5kgよりか少し重く感じます。
そしてこの極厚鉄板は初めて使うときはシーズニング(油ならし)という作業が必要です。
シーズニングとは
シーズニングの工程
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1中性洗剤で洗う
まずは工場出荷時に付着したワックスや鉄くずを洗い流すために中性洗剤をつけた柔らかいスポンジで表面、裏面をまんべんなく洗い汚れを落とします。
洗い終わったらキッチンペーパーなどでしっかりと水分を隅々まで拭き取ります。
step
2空焚きをして鉄板が青白くなり煙が出るまで熱する
拭き取りが終わっても油断は禁物。
更に鉄板を火にかけてて鉄板が熱々になるまで完全に水分を飛ばします。
ココがポイント
自宅のコンロだと鉄板が熱くなりすぎると安全装置が働き火が停止します。鉄板を熱する工程ではカセットコンロやシングルバーナーなどの使用をおすすめします。
カセットコンロを使うときはボンベ収納位置と鉄板がなるべく離れるもの、シングルバーナーを使うときは分離型か遮熱板を挟んで作業してください。鉄板の輻射熱でボンベが熱せられると爆発する危険性があります。
ここで一つ、綺麗な黒い鉄板にするためのポイント。
中心部だけを熱し続けるとバーナーの形の焼き後が鉄板に残る可能性があります。
一点集中で焼くのではなく時々鉄板を左右にずらしてまんべんなく火を当てると焼き後のない綺麗な鉄板に仕上がります。
これを鉄板から煙が出るまで続け鉄板が少しずつ青白く(黒っぽく)なるまで続けます。
空焚きを1回するだけで鉄板の色がいい感じの黒さになりました。
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3オイルを全体になじませる
次に鉄板にオイルを馴染ませる工程です。
この工程は非常に重要で鉄板にオイルを塗り油膜を作ることで張り付きにくく、焦げ付きにくい鉄板が出来上がります。
火にかけた鉄板をそのまま自然に放置して熱を取り、手で触れられる程度の熱さを残した状態のほうがオイルが染み込みやすいです。
シーズニング用の油として適しているのはズバリ、グレープシードオイルです。
実は油の中にも不乾性油と乾性油というものがありシーズニングによく使われるオリーブオイルは不乾性油、グレープシードオイルは乾性油に当たります。
不乾性油は空気中に放置されても固まることがない油、乾性油は空気中で固化していく油のことです。
つまり油の被膜を作るという上では乾性油のグレープシードオイルの得意分野なんです。
もう少し詳しく言うと被膜を作る上で重要な成分が「ヨウ素」でこの数値が高ければ質の良い被膜を作ることができるそう。
ヨウ素の数値はオリーブオイルが75〜94、グレープシードオイルが124〜143、一番数値高いのが192〜208のエゴマ油です。
一見エゴマ油の方が良さそうに見えますが海外の研究によるとエゴマ油の被膜は剥がれやすいという研究結果がでているとのことです。
他にもグレープシードオイルよりヨウ素値の高い油もありますが同じような観点から近年ではグレープシードオイルが適していると言われています。
グレープシードオイルはオリーブオイルなどの一般的な食用油と比較すると少しお高めですが大事なギアを大切に守り美味しい料理を作るには十分に価値のある必要経費かと思います。
話が長くなりましたが鉄板にオイルを流します。
ティッシュを使い表面はもちろん、裏面や側面も忘れずに入念に全体にオイルを広げていきます。
ここで二つ目の綺麗な黒い鉄板にするためのポイント。
ティッシュでオイルを全体に行き渡らせた後、再度新しい乾いたティッシュで油を拭き取るようなイメージで薄く伸ばしてください。
伸ばし方はぐるぐる回すのではなく同じ方向に拭き上げるようなイメージです。
実はここが一番重要で油が多く残っていると次の工程で焼き上げたとき焼きムラがでてしまいその部分だけ焦げたような黒い跡が残ってしまいます。
step
4鉄板を煙が出るまで焼き上げる
油を馴染ませたあとは再度煙がでるまで鉄板を焼き上げていきます。
これはオイルを鉄板に定着させて食材を剥がれやすく、焦げ付きにくくする工程です。
そして火から下ろした鉄板を冷まして再度オイルを薄〜〜く塗りまた煙が出るまで焼き上げていきます。
10回くらい繰り返すのがベストだと言われていますが3〜5回くらいでも十分でしょう。
ココがポイント
この工程でも火が一点集中しないよう中心・右・左とまんべんなく火を行き渡らせることを忘れずに!
するとどうでしょう!
最初と比べて黒光りしたムラのない綺麗な鉄板に仕上がりました!
こう比べると回数を重ねるごとにどんどん黒くなっていくのがわかりますね。
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5野菜くずを炒める
最後に野菜くずを炒めてシーズニング完成です。
野菜くずを炒める理由は鉄板の鉄臭さを取り除くのと野菜の水分が油を鉄板に更に馴染ませるためです。
臭いを取る作業なので野菜はなるべくネギや生姜などの香味野菜が適しているそう。
しかし、自分は実はいまいちこの工程にだけはピンときておらず野菜くずを炒める工程は省略して次からは普通に食材を炒めるのに使っています。
野菜くずを炒めなくとも食材に鉄の臭いは移ることもなくシーズニングが上手くいったのか焦げ付きや張り付きもなかったです。
しっかりとシーズニングやお手入れが整った鉄板であれば目玉焼きもこびりつかずキレイにはがれますよ。
調理後のメンテナンス方法
調理後はスクレーパーで焦げなどを落として仕上げは必ず水洗いで洗い流してください。
洗剤を使うとせっかく仕上げた油膜が落ちてしまうのNGです。
水洗いをしたら鉄板を乾いたティッシュなどで水分を拭き取りシングルバーナーなどで加熱させ完全に水分を飛ばします。
その後火から下ろして鉄板が冷めて手でも触れられるくらいの熱さのタイミングでグレープシードオイルを表裏全体に薄く塗り込めばお手入れ完了です。
空気に触れてもサビの原因になるのでメンテナンス後は元々ついていたサビ止め紙と一緒にチャック付き袋に保管しておいた方がいいかと思います。
極厚鉄板調理レシピ例
ここでは極厚鉄板を使った調理例を紹介します。
ちなみにここで紹介するのは食材や調味料をほとんど使わないバイクソロキャンパー目線の超簡単キャンプめしです。
そして鉄板の特性を活かした無骨料理を紹介していきます。
ちなみにせっかくの鉄板なので焚き火調理でガンガン使いたいという方におすすめのウッドストーブがこちら。
窓から追加の薪も入れやすく五徳がなくてもそのまま極厚鉄板を乗せられちゃいます。
展開は広げるだけで一瞬、畳むとフラットになりバイクでも持ち運びやすい形状です。
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豚キムチ炒め
材料(1人分)
【食材】
・豚バラ肉 100〜200g(豚こまでも代用可)
・キムチ 50g〜100g
・しめじ 50g〜100g(なくても良い)
【調味料】
・ごま油 適量
・プチッと鍋(キムチ鍋味)のポーション 1個
【作り方】
- 鉄板を熱くなるまで加熱してごま油を鉄板に塗った後、豚バラ肉を色が変わるまで焼く。
- しめじを入れてしんなりするまで軽く炒める
- キムチとプチッと鍋のポーションを入れ軽く混ぜ合わせたら火から下ろして完成。
ココがポイント
手間いらずのチキンの鉄板焼
材料(1人分)
【食材】
・鶏もも肉 〜250gまで(大きすぎると焼けません)
【調味料】
・お好みのスパイス(黒瀬のスパイスがおすすめ)
黒瀬のスパイスとは?
福岡県北九州市にある鶏肉専門店「かしわ屋くろせ」考案の秘伝のスパイス。
胡椒、ガーリック、オニオン、醤油、バジルなど様々なスパイスをブレンドしている。鶏肉専門店が開発したスパイスのため鶏肉はもちろん肉料理との相性がバツグン。これ一本あればタレやドレッシングもいらないほど味が濃厚で美味
【作り方】
- チキンにスパイスを全体にふりかけてフォークなどで穴を表裏数カ所あけておき火を通りやすくする。
- 皮面を5分程度焼いたらひっくり返して裏面を10〜15分ほど全体が焼けるのを待つ。チキンから十分に鶏油がでるので食用油は不要。
- もし側面などに火が通らない場合はトングなどで持ち上げ焼けていない部分を焼き込む。
ココがポイント
まとめ
ベルモント極厚鉄板のおすすめポイント
- 無骨なデザイン。ほぼフラットな形状で持ち運びがし易い!絶妙なエッジで食材を受け止めてくれる!
- 熱さ6mmで蓄熱性が高く火から下ろしても食材が冷めにくい!
- 取っ手がそのまま焦げ落としのスクレーパーにもなる!
- ソロキャンプの調理に丁度よいサイズ感
ベルモント極厚鉄板注意点やデメリット
- 重量が1.5kgと重い。
- 丁寧な保管、メンテナンスが必要。
- エッジが浅いので汁の多い炒めものや炒飯など激しく炒めるような一部調理には不向き
いかがでしたでしょうか?
個人的にはなかなか理想な鉄板に出会えました。
キャンプ始めたては家からいろんな食材や調味料を持ち出しておしゃれな料理もつくっていましたが最近ではもっぱら焼くだけ調理が多いです。
そんな傾向になっているなか出会ったのがベルモントの極厚鉄板。
バイクソロキャンパーの僕に取ってはデザイン性がとても刺さる商品でした。
今後もこいつを相棒として様々な鉄板料理に挑戦していきたいですね。
今回紹介したギア一覧